悪いけど今回はなかよしできない。いい加減堪忍袋の緒が切れた。
「人間はコンテンツじゃない!」と叫ぶのは、結局の所「人間は歯車じゃない!」と叫んでいるのと同じだ。
程度の低い感情論でしかない。
いいか、もう一度言う。
人間はコンテンツでしかない。
コミュニケーションによってコンテンツ力が高まる
おまえが何かのコンテンツに対して言及したとしよう。その時点で既にお前の発言も「そのコンテンツと同化」する。これがお前がコンテンツである大きな理由の一つだ。
俺たちがコンテンツに対して発言をしたり話題にしたりすればするほど、そのコンテンツがもつ温度は高まっていく。
ソーシャルネットワーク化したネット上では、自分でコメントを考えなくてもボタンひとつで「シャアします!」できるしな。さらに自分の友だちがそのコンテンツに対して言及してたら効果は二倍だ。気になるアイツが言ってるのって、ついついクリックしちまうしな。結局言及されたもん勝ちってこった。
誰かの発言からしかコンテンツに辿り着かない
しかも今のネットでは結局のところ、他人の発言とかアクティビティを見てコンテンツにたどり着く。はてブ連携とかツイートボタンとかシェアします!とかな。これは前回のエントリでわざわざご丁寧に説明した。それ読んで。読まない人はそのまま騙されてて。どうせ読まないだろうけど。俺は知ったこっちゃない。
みんな能動的にネットウォッチなんてしない
だってだらだら見てるだけだから。テレビつけておせんべパクつきながらごろごろしてるのと変わんないよね。ユーザーストリームさまさまですよ。ぼーっと待ってるだけでおもしろいものは流れてくるじゃん。自分からdigったりなんてしませんよ。自動的に流れるユーザーストリームを死んだ目で見てるだけ。ネットサーフィン?そんな言葉ありましたねー。
ああそうそうネットウォッチ?それ業界の内輪ネタとどう違うの?芸能人とか政治家の悪そうなとこつっついたりプライベートな生活のこと聞いて喜ぶ人とどう違うの?所詮人間なんておもしろがるものは一緒だってか。普段政治家に対して「細かいところを叩くのはいかん、仕事で評価するべき」とか言ってる人見てますかー?きみもネットで炎上楽しんでるよねー?
どこからどこまで文脈が共有されているかわからない
多重化するクラスターによって、どこまでがひとつのグループなのかわからない。発言してもストリームに流されてゆき、全員が必ず見るわけじゃない。そういう環境ならこれはしょうがないこと。(ちなみにコミュニケーションのときに文脈が共有されてるとやりやすいし楽しいってことはわかるよな?「青いいよな」「いい…」みたいな。)
でもツイッターとかフェイスブックとか、結局みんなひとりごとだろ?「あーあー誰かランチいっしょにいってくれないかなーあーあー」っていう。はいはいコミュ障さん良かったですね。自己満足の承認が得られるね、おめでとう!
文脈が共有されづらい環境にいるからこそ、文脈が共有されたときには一気に燃え上がる。
絶対的な話題は文脈を共有できる(地震・日食)
地震とか日食とか、”リアル”世界でデカイイベントが起きるとプチ祭り状態になる。
その理由は明らか。全員が文脈を共有できるから。ネットの出来事なんて炎上しない限りみんな知りませんよ、そんなことより「ゆれた?」ってツイートする方が楽しいだろ?あの非日常感を知らないとは言わせないぜ。世間話としては最高のネタだよな。え?みんなネットまで来てわざわざ世間話するのが楽しいんでしょ?ネットの世間を語る!いやーすてきですねー!
炎上しないと見向きもされない
だーからこそネットの出来事なんて、それこそ炎上でもして「ある程度みんなが文脈を共有できるようになる」「世間話として通用する」ようにならないと見向きもされない。だってみんな他の人の発言を見て何かを知るから。
リアルタイム、非リアルタイム、どっちでもいいけど、第三者間のコミュニケーションを見て俺たちは何かを知る。発言を誘発するのはなんだ?そりゃあおまえあれだ、「話のネタになる」「ついついツッコミ入れたくなるような」「大喜利せずにはいられないような」ネタだよ。
バイラルコンテンツをつくるしかない
あー、まあぶっちゃけコミュニケーションとかバイラルとか言わなくても「クチコミ」って言えばいいよな。そういうクチコミでどんどん広がるようなさ、がっつり広報のメソッドブチ込んだ、っつーか炎上要素ブチ込んだやつしか見られないわけよ。
だってそういう風な環境に俺らはいて、その環境を受け入れてるから。
文脈をつくってくれる、みんなで話題にできるものが正解
みんなで大喜利したり石投げたりフルボッコにできるような、そういう共通の文脈を作ってくれるようなモノをみんなが求めてる。ヒャッハー火種だぜ!サツバツ!みんな祭りを求めやがる。しかも自分で何かやろうとはしない。誰かがやってくれるのを待つだけ。
いや別に悪くないよ?だってネットなんてそういうものだからね。なんだっけネットウォッチだっけ?はいはいかっこいいですねー、「くらえ俺の”観測範囲”!」ってかんじ?
1、コミュニケーションによってコンテンツが発展する。
2、さらに俺たちはコミュニケーション自体をコンテンツにしてしまう。
3、しかも誰かによってなされたコンテンツに対するコミュニケーションを通してコンテンツにたどり着く。
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ネットにはコミュニケーションキチガイしかいない。他人の目から逃れられない。
誰かがお前を見ているぞ、お前も誰かのコンテンツ。ユートピアですね!
広告代理店とかそういうプロの得意分野
ちょっと前まで「コピーライトは死んだーうわー」とか言ってたじゃん、だけど今のネットってまさにここなんだよな。
具体例?ホッテントリのタイトルとかまとめブログのエントリタイトルとか。あとなんだ、とにかく「大量の情報のなかに紛れ込んだときに目についてクリックしてもらえるようなパンチの効いた文言」とか「とにかくなんか言及したり大喜利したくなるような名前」とかそういう。文章が書けない奴はインターネットで簡単に死んでいくっていったの、本当に言いたかったのはここですよ。非言語コミュニケーション?何言ってンスか。情報技術の発展からなる夢を見るのもいいっすけど、AndroidとかiPhoneですぐに表示できない画像とか動画とかウェブページとかなんてクソっすよ。小さい画面で素早くデータ容量も少なく大量に表示できるのは何?誰でも簡単にインターネット上に送信できるのは何?そりゃ文字だろ。
でそういうプロがこれからどんどん流れてくるよなって話。だってバリバリ得意分野じゃん。今でこそノウハウまとめられてないけど、「コミュニケーションデザイナー」とかの肩書きになってソーシャル担当の人ガンガン増えてくるんじゃない?いや今でもツイッターのアカウント管理とかそういうのふつうにその道のプロの人がやってますけどね。
文言とかテキストの分野だけじゃないですよ。「人に見てもらうこと」を生み出すプロがどんどんこのネット環境にマッチするものを作って、俺たちはそっちに釣られていく。素人が輝けるネットは終わった。これからは上手な奴が勝つ。それはこのネット環境から見ると、必然のことだ。
民度が下がったネットはどんどんリアル化していきますよーリアルの人間に侵食されていきますよー。楽しいですね、新しい逃避先は見つかりました?
プロのウェルメイドな、ウケるような作品ばかり
ってな感じで、パッと見てすごいのとか人の目に止まるような、そういう「元々すっげーできる人」「元々わたしは有名人」みたいな人が投下したものしかスポットライトが当たりませんね。ああ、そういう人たちがdigってくれれば底辺コンテンツくんたちにも陽の目が当たるかな?でも底辺同士が頑張ってたって無理無理。だって無自覚なレコメンドくらいしか俺たちがコンテンツに辿り着ける方法なんて無いもん。それこそ星の数ほどコンテンツはありますからね。
っていうかユーザーID持った時点でその人もコンテンツですけどね。だってIDをもつということはもうコミュニケーションしてますよ?「私はここにいる」ってメッセージをみんなに送ってますからね。コンテンツつくるよりもまず自分のフォロワー増やして力つけないと。はいはいソーシャルソーシャル。
エンターテイナーを心待ちにするネット、でも自分はやらない
「みんなが話していて盛り上がっているところに途中参加する」のがナウいネットの楽しみかただろ?
聴衆化してますねー誰かが痛いことやってそれに偉そうな口でコメントしてふぁぼもらって楽しいと。いや楽しいよ?だって匿名掲示板じゃなくて今はIDを持ってますからね、自分は安全なところで炎の火をちょこっと借りて自分のところで焚き火すればいいわけだ。わーぱちぱち燃えてるねーって。きれいだねーって。
文脈が無いからテレビはおもしろくない
そうそう、お前らよく「テレビはつまらない番組ばかりだ、その点ネットはすばらしい」っていうじゃん。それって結局自分の好きなものだけ見れるからだろ?あと大量に情報が流れてくる中から興味のあるものだけ選べるからだろ。そりゃあおまえネットのチャンネルは無限だからな、無理だよ。
でもさぁ、それ以外にも「テレビには文脈がない」っていう理由も考えられるよな。ネットはずっと一定のノリとか文脈をチョイスできて、そのぬるま湯の上でずーっとぐだぐだしてられるじゃん。でもテレビって番組自体で文脈つくらなきゃいけないし、その上かなりの数の人間に向けて放映されるんだぜ?細かい欲求に答えてられねーよ。
たまたまつけたときに見栄えが良くてそこそこ見れればいーんだよテレビなんて。そういう消費方法してるだろ?
インターネットのテレビ化、初見で楽しめるコンテンツ
”たまたまつけたときに見栄えが良くてそこそこ見れればいい”ものに食いついてるのってさあ、ネットでもそうだよな。
だってテレビに対する欲望と今のネットに対する欲望ってほとんど一緒じゃん。とりあえず暇だから自動的に流れるのをチラ見してちょっと暇潰せればいいんだろ?それテレビと一緒じゃん。
スマートフォンの普及も一役買ってるよな。ネットをみんながいつでもどこでもチラ見するようになった。チラ見するようになった人間が多くなったってことは、今までの「もしもしはクソ」っていうのはなくなるわけだ。
ネットの使い方が変われば、ネットでの行動も欲望も変わるよなあ?そしたらおまえネットの環境も変わるわ。
ハイコンテクストな半年ROMれの崩壊
ネットノリ死んできてるよな。ちょっと前までネット全体が「俺たち全員察してます」みたいな文化がちゃんとあったから、そのまま楽しくできた。でもいまガンガンネットユーザー増えてきて、もはやそういうスキルっていうのは必要不可欠じゃなくなったよな。匿名掲示板からネット全
体に広がっていた文化が、だんだん押し戻されてきてるって感じ。いや当たり前ですよね。
「ネットリテラシー」?それってお前らの居心地がいい「半年ROMれ」の世界を押し付けるってこと?「それがネットだから」って?はー、結構結構。ネットの未来に貢献するとか良く言えたもんだね。なんだっけ?ネットで世界を変えるんでしたっけ?すっげーっすね。
話のネタとして成立するもの、表面上が全て、「後で読まない」問題
世間話のネタになるような尖ったものとか燃えそうなものとかそういうのばっかチョイスして発言する。そりゃ発言ってのは世間話したいからするのであって当然だよな。で、その第三者の発言から俺たちはそのコンテンツを知る。
おーおーもうアレですね、ホッテントリタイトルでおなじみの「○○の法則!」とかそういうので釣らないとだめですね。あとおなじみの「後で読む=読まない、読んだ=読んでない、RT批判=タイトルだけ読んだ」、みたいなそういう上っ面のインスタント消費ばっかり。
だってコンテンツの数も多いしユーザーストリームは風の速さで駆け抜けていくんだよ!もう避けようがないっすねー。
いやー「最近出版される本はゴミばかりだ、ネットの方がよっぽど素晴らしいテキストがある」って言って電子書籍とか言ってる人息してる?スポーツ新聞とか赤新聞みたいになってますよーネットのコンテンツ!しょせんどこいったって人間の喜ぶようなものは一緒なんですよ。
旧メディア化するネット
ってな感じで「新聞の見出しに悪意がある」とか「この映像の編集には恣意的な要素がある」みたいに言って旧メディアを叩いてるネットのみなさん、だんだんネットもそうなっていきますよね。っていうかなってるよね。「みんなの目に付くようにちょっと頑張っちゃいました!」だから燃えるんでしょ?だからついつい燃やしちゃうんでしょ?
さーさー次の逃避先探さなきゃ。リアルからネットへ。ネットからどこへ?火星にでも行きますか?
全体で作り上げた環境と慣習と文化と価値観
人間個人が悪いんじゃない。俺たちがこういうネットを無意識的に作り上げたんだ。
そこに適応するからこういうゲスいコンテンツばかりが目につくようになる。
だってお前らゲスいものの方が世間話しやすいだろ?ほんとはそういうもの求めてるんだろ?
言及しないわけにはいかねーよなー!そうまさに今この私もそのとおり!インターネットたーのしーなー!
悪いのは個人じゃない。っつーか悪くない。
だってそいつを作り上げたのは他でもない俺たちだから。
ネットで発言する限り、俺たちはコンテンツ化から逃れることはできない。
ぼくらのコンテンツ戦争は始まっている。
それでもまだ「人間はコンテンツじゃない」って言いたいのか?
だったらこう言い換えてやる。
俺たちはコンテンツを産む機械だ。ざまーみろ。
コンテンツを創りだした人間の苦労やプロセスを想像できない人間は、
ネット上で文句ばかりたれるつまらない「コンテンツ」になる。
このブログには、「他人は自分の心を写す鏡」賞をプレゼント。
ナイスコンテンツでーす!
人間はコンテンツでもあるって言えばいいんじゃないでしょうか
人間をコンテンツとして見ることもできる、とか
「人間はコンテンツだ」「人間はコンテンツじゃない」って、昔からよくある「人間は物だ」「人間は物じゃない」の言い換えですよね
人間はコンテンツじゃない、人間はコンテンツだ、人間はコンテンツでもある、人間をコンテンツとして見ることもできる
解釈の問題ですね
コンテンツ(物/情報)が人間に憑依する人間疎外的に解釈しました
ニコニコ動画はプロも輩出したり、参加させたり、大企業をも巻き込んだり。あとはボカロ音楽が一部に流行するのをみていると音楽業界もコンテンツに浸食されてゆくのだなぁ、と感じます
ただ、ニコニコのシーンは面白いんですがアバズレ感が好きではないです・・・
いまや自分の情報を一気に開示できるインターネット環境を思うと、ぼくらのコンテンツ戦争という言葉にしっくりきました