ソーシャル・ステルス・マーケティングのしくみ

この記事は、なかよしインターネッツ Advent Calendar jp:2012の1回目の記事です。
今日から週に一回ずつ、「プログラミング技術ネタでないインターネットについてのお役立ちtips」をテーマにいくつか投稿していきます。

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なかよしクッキングへようこそ!
今回は、ソーシャルマーケティングとステルスマーケティングの仕組みと、それが発生する理由について。
じゅんばんに、フルコースをごちそうします!おたのしみに!

ステルスマーケティングが発生するのって、すごく自然で合理的なことなんだよーってことについて書くから、
「よくわからないけどステマって言っておけばいいんでしょ」
「マーケティングは企業とか卑しい奴がやること」
みたいに、感情的にわーわー叫ぶような人がいないか、しんぱいかも……。

でも、インターネットがだいすきなみんなだったら、きっとそんな人はいないから、だいじょうぶだよね。
さっそくおりょうりをめしあがってください!

—前菜1—

◯ノウハウがあるようで?
「できる!ソーシャルマーケティング!」みたいな本、よく見かけるようになったよね。
ビジネス本の棚に置いてあるけど、あんまり売れてないみたい。
ソーシャルメディアについて書いてある本も最近いくつか出てるみたいだけど、
そのどれもが、ネットで起きた出来事についてちょっと説明して、「ソーシャルメディアが世界を変える!」ってお約束のように叫んでるだけ。
「ネットとかよくわからないけどみんなの話についていきたい」おじさん向けって範疇を出ないよね。
新刊もどんどん出てるみたいだけど、その本で書いてあるのって、ほんとにナウいインターネットのこと書いてあるのかな?
それを読めば、インターネットがもっと楽しくなるのかな?

◯日曜インターネットユーザー向けが多い
Webページ作成を受託して作って検索に乗っかるようにして……みたいな、(もちろんそれが基本でいちばん大事だけど)それだけかよっ!って内容がメインになってたりもする。
書いてあったとしても、「SNSのクチコミで広めよう!ここでいうSNSとは、TwitterやFacebookのことです!」程度だったり。
えーっそこからなのーって感想は、インターネットがだいすきなみんなだったら、味わったことがあると思う。

◯Webの環境というのは日進月歩
いま、みんなが集まっていて、ネットで力を持っているのはTwitterやFacebookなどの、ユーザーストリーム、つまりタイムライン型のSNSだよね。
だからといってSNSだけに焦点を絞って分析すればいいのかというと、それはちがうと思うんだ。
「ウェブ全体の使われ方と、そこにいる人間の動きについて」。そこから考えると、きっと何かが見えてくるんじゃないかと思うんだよね。

◯いま考えるべき「ソーシャルマーケティング」
古ぼけたネットマーケティングの対象は、いま私たちが考えるマーケティングの対象とはズレている。
インターネットがだいすきな私たちに向けた、インターネットがだいすきだからこそ理解できる、
知っておくと得するソーシャルマーケティングの基本的な仕組みと、ウェブのアーキテクチャ設計について、いっしょに見ていこう!

—前菜2—

◯広告のチェンジ
「マーケティング」ってことばから連想される意味は、ぶっちゃけ広告・宣伝のことだよね。
広告も、インターネットと発展とともに変化しているよ。
昔は、企業からわたしたち生活者に向けて、一方的に「うちの商品はすげーですよ!」と説得する形をとっていたんだ。
「企業からドカン!と広告を打って、みんなに振り向いてもらう」やり方だね。
……でも、いまはそのやり方じゃ、インターネットでは見向きもされなくなっちゃったんだ。
何故かって?
昔だったら情報を得る通路、つまりチャンネルが少なかったよね。テレビ・ラジオ・新聞……などなど、そういったメディアからしか情報を得ることはできなかった。
今はインターネットがみんなに普及してるよね。
みんなが情報を得るチャンネルが増えちゃって、どこに広告を打っていいか、わからなくなっちゃったからなんだ。

◯でも、ちょっと待って!
これで、テレビ・ラジオ・新聞・インターネット、「3+1=4!チャンネルが4つに増えました!」みたいな小学生でもわかる足し算のもんだいになったかと言われればそうではないよ。
テレビのチャンネルって、数に限りがあるよね。でもさあ、Webページの数って、それこそ無限に増殖していくよね?
プログラミングをよく知らない人でもメモ帳とブラウザさえあれば自分のウェブページを作って情報を発信できるし、
ブログサービスやインスタントできて誰でもチャンネルをつくることができる。
これじゃ、テレビのリモコンのボタンが無限にあるようなものだよ!いったいどのチャンネルを見ればいいの?
ひとつのチャンネルに情報をドカンと投げてみんなに見てもらうというのは、ひじょうに難しくなった。しょうがないよね。

—スープ—

◯僕たち若者世代はテレビを見ない。じゃあどこを見てるの?

インターネットです
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—メイン料理・おさかな—

◯ネットのクチコミ?
ちょっと昔の広告の
しくみはこう。
☆一方的に説得
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企業が生活者に、一方的にメッセージを伝えていたんだ。  
「うちの製品はかっこいいですよ、良いですよ!」ってね。

でも今は残念ながら、メッセージを伝える空間の中に企業が入れなくなっているんだ。

わかりやすい例を上げてみよう。
あるパワーユーザーが「ジュエルペットサンシャイン、渋い」とツイートしました。
発言を目にしたその人のともだちが、「ジュエルペット、キャラ全員が異常者っぽい」とツイートしました。
そうすると、その人たちの会話を見ていた私たちは「みんなもりあがってるな、ジュエルペットってなんだろう?」と不思議に思って、ちょっとyoutubeで動画検索してみたり、ググってみたりするよね。
これって立派な”宣伝”じゃないかな?

このように、今のクチコミのしくみは、こんな感じ。
☆双方向的に紹介
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ひとりの人間が心からつながりあえる人間(相手)には限りがあるが、コミュニティによって形成される横のつながりは無限だよ。

このように、現在のクチコミは、昔のように「企業がドカンと投げたメッセージを生活者が受け止めてから、クチコミで広がっていく」のではなく、
生活者が宣伝している自覚のないままオススメしているのを(クチコミからスタートするってこと)、第三者が目にすることによって広がっていく」のが主流だよ。

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ユーザー当人たちには、商品の魅力を語っていながら、別に周りの人間におすすめする意図はない!
でもさぁ、まわりの私たちは、その会話を見てその商品とか作品とかコンテンツとか気になっちゃうよね。
気づけば購入・アクセスに走ってしまったり……。私たちって単純だよね。

—メイン料理・おにく—

◯ステマで当たり前
こういうことを考えていくと、巷でいう「ステルスマーケティング」はすごい合理的だということがわかる。
よく言われるのが、2ちゃんねるまとめサイト。管理人さんが恣意的に発言をチョイスして、さも商品が話題になっているかのうように仕込んだりするんだっけ?
これって、2ちゃんねるの中で複数人がコミュニケーションしていて、第三者である私たちがログという形でそれを見て、気になっちゃうってことだよね。
まさにネットのクチコミだ!双方向的な紹介が生きるウェブの環境ならではだね。

◯嫌儲っていうのもあるけどさあ
これ、今の環境にすごいマッチしてるのは事実だよね。
大きなCMを打てない、話題にしてもらえるような発言力のあるユーザーに届けることができない、商品自体に話題になるパワーがいまいち足りない、広報を打つ予算がない……などなど。
そんなときは、自分が「生活者」になっちゃえばいい。ネットでその商品についておしゃべりをして、それを第三者(ほんとうの生活者)に見てもらえばいい。
非常に合理的だよね。ちょっとずるいけど。

◯バレ回避
ツイッターは固定のIDをもってしまうので、生活者のフリをするのは難しい。
どうしても「こいつ絶対中の人だろ、GK乙」みたいな感じでバレちゃう。
だからこそ匿名の、固定の名前を持たなくてもよいところに書き込んで、コミュニケーションがあたかも盛り上がっているように演出し、それを第三者が見る。
そして視聴、購買、アクセス等に誘導する。
インターネットは、
同期(リアルタイム)=情報が伝達されるスピードがそれまでのメディアに比べて格段に早い
非同期=情報のアーカイブ化による非同期、つまり同時のタイミングでなくても情報が共有される
といった性質を兼ね備えているし、鬼に金棒だね!ステマ最強!

◯深呼吸からの……ヨッシャ
それで騙されてる!と思ってしまうのも、確かにその通りかもしれない。
だけど、「みんなにもっと見てもらえるようにする」っていう行為そのものが、悪いわけじゃないよね。
なんだか最近、そこをごっちゃにしてる人が多い気がするんだ。深呼吸しようよ。

「黙って作って置いておく。そうじゃないとかっこわるい」って?
くすくす、そんなんじゃ見てもらえるわけないよ!だってここはインターネットだよ!?
私がこうやってはてなダイアリーに書いているのは、はてなのシステムの中に放り込めば、自分のテキストサイトをつくるよりも、みんなに見てもらえる可能性が高くなるかもしれないからだよ。

「インターネットがなかった頃に比べて、作品を見て貰える可能性はじゅうぶん高くなった」って?
そりゃそうだ。0から1にはなったろうね。だけどさ、もうみんなインターネット使ってるんだよ?他にもライバルはいっぱいいるんだよ?君のつくったものを誰かがたまたま見つけて拾って見てくれる可能性なんて、それこそ砂丘の中から砂金をひとつぶ見つけるようなものだよ?なんてったって無限にあるチャンネルの中から、君ひとりのチャンネルに目を向けてもらわないといけないからね!くすくす、そんなの難しいに決まってるじゃないか!

いま、君のつくったものが見てもらえるのは、インターネットのおかげじゃない。
インターネットにつくら


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